ある日のこと
今までマイスリーを飲んでいた患者さんが処方箋を持ってきて
「マイスリーじゃ2,3時間しか眠れなくて新しい薬を出してもらったの。
マイスリーと新しい薬の違いってなあに?」
と質問されました。
新しい薬はロゼレム錠でした。
なかなかドキッとする質問です。
ということで、超簡単に
わかりやすく説明をしたいと思います。
非ベンゾジアゼピン系と言われる睡眠薬で
超短時間型なので睡眠導入剤として用いられます。
ハルシオン(一般名トリアゾラム)のような
ベンゾジアゼピン系と共通するところは
脳の機能を低下させ、強引に睡眠をもたらす
ということです。
ちょっと怖いですね。
でも寝つきさえ改善できれば朝まで眠れるという方には
とても有難い薬と言えます。
ロゼレムは比較的新しい睡眠薬で
体内時計のリズムを司っているメラトニンの分泌を促し
自然な眠気を促す
お薬です。
メラトニンは20時頃から分泌され
夜中1~2時にピークになります。
高齢になると分泌量が減少するといわれているので
高齢の方へ比較的安全な薬と言えると思います。
マイスリーと比べるとなかなか最初効果が出にくいので
少し効果が出るのに日にちが必要ですが
「眠気が来なかったけどいつの間にか寝ていた」
という方もいらっしゃいます。
ロゼレムと同じような
自然な睡眠を促す睡眠薬に
ベルソムラ(一般名スボレキサント)や
デエビゴ(一般名レンボレキサント)が
ありますが、こちらは
覚醒状態があるときに働いている
オレキシンという物質の働きをブロックして
睡眠状態にスイッチを切り替える作用がある
ということでロゼレムともまた違う作用の仕方になります。
というのを踏まえ
「マイスリーは強制的に眠らせてくれる薬で
新しい薬(ロゼレム)は自然な眠りをもたらす薬です」
という風にできるだけわかりやすく説明しましたが
結局マイスリーでの眠りに慣れている方でしたので
ロゼレムのマイルドな作用では
不満がどうしてもあり
止めてしまったパターンになってしまったのでした。
もう少し服薬指導がんばろう・・・
参考にさせていただきました。↓↓
いつも精神科領域の薬の勉強でお世話になっているサイト様です。
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